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おでんとティビチ、似た者どうし
知らない人は沖縄にもおでんがあるのかと驚くが、豚足(ティビチ)が入ったコクのあるおでんが食べられる。そのほかにソーセージが入るのも独特。豚足は中国大陸の影響、ソーセージは米軍が伝えた食文化。
冬なら小松菜・レタス・ホウレンソウ、夏ならウンチェバー(エンサイ)が添えられるのは、健康のバランスを考える沖縄ならではといえる。沖縄本島にはおでんを置く飲み屋が多く、離島でもちゃんとおでんが食べられる。スーパーの惣菜コーナー脇にもおでん鍋があるから、日常的に食べられているのだろう。
沖縄を代表する
桜坂のおでん屋
沖縄のおでんの歴史はそれほど古くない。昭和20(1945)年、沖縄に米軍が上陸・占拠して終戦を迎えてから、4年後に本土への渡航許可が出る。戦前からも人の行き来はあったはずだが、おそらく戦後のこの時期に、“おでんの道”が現れたのではないだろうか。そして昭和47(1972)年に本土復帰したころから、おでんにソーセージが入るようになったという。
那覇の「桜坂社交街」は、戦後の沖縄復興のシンボル的な存在で“奇跡の1マイル”と呼ばれた国際通りに寄り添うようにしてにぎわいを見せた繁華街だ。今では少々寂しい雰囲気だが、狭い路地には小さな店が軒を連ね、沖縄独特の木造建物が目につく。
坂を下りた十字路の角に、人気のおでん屋「悦ちゃん」の看板が灯る。実はこの店、営業中にもかかわらず、ドアには鍵がかけられている。客はトントンとノックをして開けてもらうのだ。
「別に一見さんはお断りというわけじゃなくて、泥酔した人は入れないようにしてるんですよ。私、女ひとりでやっているから変な人はちょっとね」
悦ちゃんのおでんだしはソーキ(あばら骨)から取っている。沸騰させてアクを取りながら煮込み、それをおでん鍋に追加するわけだ。このソーキだしは毎日新しく仕込まれる。味付けは塩だけとシンプルだが、ティビチとソーキのエキスが染みたこってりしたおでんは、まさに沖縄の味と言えるだろう。
■悦ちゃん(えっちゃん)/TEL 098-866-4680/那覇市牧志3-8-1/19時〜4時ごろ、日休/国際通り牧志バス停から徒歩5分
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