2009年01月08日 (木)
イルカのおでん
静岡おでんの会の初代会長から「イルカのおでんが復活した」と聞いたのは、4年前のことでしたが、ようやく静岡のイルカおでんを食べに行ってきました。レポートは紀文食品の社内報『絆』に掲載されていますが、簡単にこちらでも紹介したいと思います。

2008年3月にオープンした駄菓子屋&おでんの店。
■10代目半兵衛 白木屋
(へんくつおやじの店。駄菓子&竹久夢二ギャラリー)
静岡市清水区由比331
054-375-3046
営業時間、休みともに不定なので行く場合は電話で確認を。
「イルカのワタ」と呼ばれ、胃や腸などさまざまな部位が混ざっています。店主の宇佐見周男さんの話では、子どものころは最後に残ったスポンジ目当てに、兄弟で取り合いになったそうです。退職したあと、子どものころにあった昭和30年代の駄菓子屋を地元に復活させました。駄菓子屋とおでんの組み合わせ、そこに「イルカのワタ」は欠かせなかったのです。
ゆでて臭みをとってから、鶏ガラだしで煮込むのが由比の味。地元では「新星堂」いうおでん屋さんが人気だったそうですが、残念ながら今は閉店しています。そして、それを受け継いだのが「白木屋」です。イルカは伊豆半島や静岡東部でも食されますが、内蔵まで食べるのは由比・蒲原地域特有の食文化のようです。
左がイルカで、モツのように歯ごたえがある部分、レバーのような食感の部分、赤身肉が付いたすじ肉部分、根元には「スポンジ」と呼ばれる部位が刺してありました。1本でさまざまな食感が楽しめて、どの部位もおいしい。“スポンジ”は肺臓なので、静岡おでんに入っている牛や豚のフワと同じ食感でした。かむとじわっとつゆがしみ出るのがまたいい。静岡けいりん場内の売店で食べた牛のフワ(右)と同じ食感でおいしかったです。

これはイルカの「すまし」と呼ばれている背びれ部分。由比の魚屋に売ってましたが、最近は「イルカあります」と張り紙をすると、テレビ局などがはがしてくれと言うらしく、たんに「すまし」としか書いてありませんでした。クジラのコロと似ている部分なので、おでんに入れてもおいしいそうですが、これは入れないようですね。ちなみに魚屋さんの娘さんも「イルカの肺がおいしいんですよ」と話してました。
かつて沼津港にはイルカが水揚げされ、セリ市場にイルカがずらりとぶら下がっていたそうです。伊豆半島の縄文遺跡からは、イルカの骨やイルカの土偶が発掘されています。「かわいそう」などと言わずに、地元の食文化として尊重したいものですね。
イルカの内蔵がおいしいなら、クジラもやっぱりおいしいのかと思って調べたら、やはり食べるようです。肺(吹腸、ふくわた、ふく、あかふく)、横隔膜(ダンバラ肉、巻き肉)、肝臓(キモワタ)、小腸(百ヒロ)、腎臓(ワタ)、食道(ヒメワタ)など、細かく名前が付いて区別されていました。

